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幻冬舎Presents 今、ほしいのは、ヴィンテージウォッチ

【第2回】犬山紙子「時を超えて冒険させてくれる時計」

犬山紙子さん写真

使う年代や人によって様々な表情を魅せるヴィンテージウォッチ。 あたらしいものにはない、その時計が刻んできた時間が生み出す、 ヴィンテージならではの魅力をエッセイストの犬山紙子さんに綴っていいただきました。

今回、犬山さんが選んだのは、エルメスの「Hウォッチ」と「ケープコッド」の二本。
01. エルメス「Hウォッチ」
デザイナー、フィリップ・ムケの「メゾンのイニシャル“H”をケースに取り込む」というひらめきにより、 1996 年に誕生したH ウォッチ。一目でそれとわかる特徴的かつ上品なケースデザインで、 誕生以来、現在でも人気を誇るタイムピース。
02. エルメス「ケープコッド」
エルメスは当時のクリエイションを手掛けていたアンリ・ドリニーに正方形の時計デザインを依頼。 そして1991 年、彼が好きな長方形ケースに正方形ダイヤルを重ね、生み出したのがケープコッド。 錨の鎖をモチーフにしたエルメスのジュエリー「シェーヌ・ダンクル」に着想を得たデザインが特徴。

  • KAMIKO'S SELECT 01 HERMES H WATCH

    HERMES H WATCH 画像
  • KAMIKO'S SELECT 02 HERMES CAPECOD

    HERMES CAPECOD 画像

1981 年生まれの私にとって90 年代は「ファッションを楽しむ」原体験の時でした。
自分が何を好きで何がしっくりくるのか、まだまだわからない未熟な年頃です。 未熟なぶん可能性は広がり「楽しい」という気持ちだけを胸に、ファッションの海に泳ぎ流された冒険の日々。
自分の輪郭が流動的な時のファッションは、素直な欲でほぼ成り立っていて、 今当時のプリクラを見ると「生命力」を感じます。
90 年代は、私のファッションの地層の土台となるとても大切な年代です。

エルメス Hウォッチ

今回選んだこの2つのヴィンテージウオッチはどちらも90 年代のもの。
特に90 年代のものだから選んだというわけではなく、素直に心が「これを消費したい」と思ったらそうだったという。 30 代後半のある程度熟した私の今の気持ちが90 年代のものだったんですね。
そこに意味付けしすぎるつもりもないけど、当時の「生命力」を借りたいのかもしれません。

エルメス ケープコッド

白いベルトにシルバーのH が映える、大胆さと繊細さを兼ね備えたH ウォッチはまさに「大胆であり繊細でありたい」と願う今の気分にぴったりです。
以前ならこのホワイトとシルバーに合わせたコーディネートにしていたと思います。シルバーはシルバーで統一しないと気が済まなかったんですよね。 でも最近は「シルバーとゴールドを同時にまとってはいけない」という自分ルールを見直し、「シルバーとゴールドを同時にまとう混沌」を良しとしました。
混沌の先に品が生まれる事もあると経験で知ったからです。

エルメス Hウォッチ 犬山紙子

ゴールドの流れるシルエットのブラウスに合わせてみる。
一見そんなに冒険しているコーディネートではないけど、シルバーとゴールドの組み合わせを冒険と捉えてニヤッとほくそ笑む。 こういう自分だけの楽しみをファッションの中に作るのが好きなのです。
カチッとしたジャケットの下に満面の笑みの夫の顔を小さくプリントしたT シャツをこっそり着て、 真面目な話をひとしきりした後ちらっと夫の顔をのぞいて愉快な気持ちになったり。秘密の楽しみですね。 ルールに縛られそうになった時にこういうコーディネートをする癖があります。

エルメス ケープコッド 犬山紙子

逆にシルバーの重みが気持ちいいケープコッドは、シルバーで統一しようと思わされました。
手持ちのフランスのヴィンテージのシルバーブレスレットを合わせ、 耳には今の日本で作られた繊細なカッティングがお気に入りのイヤリングを。彼女らは引き立て役、 エルメスのシルバーを纏う喜びを盛り上げようぜ要員です。 サラッとエルメスをつけるのもかっこいいけれど、等身大の私からするとまだまだ 「エルメスのシルバーだ!」というテンションがあるので、その気持ちも大切にしたいんですね。

合わせたシャツもヴィンテージです。
フェミニンすぎないレースのシャツを探し求めて偶然見つけたお気に入りの一枚です。 大好きな人に会う時によく着るのですが、そうやっているとそのシャツを着た瞬間「愛しい事が起こる」と思わせるおまじないの要素が加わるんですよね。

エルメス Hウォッチ ケープコッド

私はヴィンテージが好きで、服も家具も雑貨もヴィンテージから探す事が多いのですが、それは「妄想が膨らむ消費」だからです。
欲に任せて「乱暴に消費」するのもとびきりの快感ですが、ヴィンテージには作られた時代や自分の前の持ち主に思いを馳せる余地がたくさんある。 その余地込みでお金を支払っているんですね。物にはそういったプラスアルファの効果があって、それは物そのものの価値と同じくらい、もしくはそれ以上の価値があるもの。

この2つの時計が作られた90年代、きっと大人が購入したんでしょう。
その人に思いを馳せながら当時の時代の力と過去の自分の生命力を借りて、まためまぐるしい日々を乗り越えていこうかなと思うのです。

Special Thanks!

(犬山紙子さん プロフィール)
仙台のファッションカルチャー誌の編集者を経たのち上京。東京で6年間のニート生活を送る。 そこで飲み歩くうちに出会った女友達の恋愛模様をイラストとエッセイで書き始めるとネット上で話題になり、マガジンハウスからブログ本を出版しデビュー。 現在はTV、ラジオ、雑誌、Webなど幅広いメディアで活動中。

テキスト:
犬山紙子
編集:
幻冬舎

毎回ゲストを招いてヴィンテージウォッチについて綴っていただく「今、ほしいのは、ヴィンテージウォッチ」。 第3回目のゲストは、女性誌や広告などの媒体で活躍するスタイリストの山本あきこさんにご登場いただきます。お楽しみに!