取り入れ方ひとつでファッションをランクアップさせる、おしゃれなメガネ。
メガネを選ぶときに見るべきポイント、いま注目のデザイン、
おさえておきたい人気ブランド、そしてメガネを使ったコーディネートまで、
普段からメガネを愛用しているスタイリスト小松嘉章さんと
ポーカーフェイスのバイヤーに聞きました。
お二人がメガネを選ぶ時に気を付けていることはありますか?
手島:
僕はやっぱりサイズ感が重要だと思っています。
似合うサイズの目安は、黒目がレンズの真ん中〜やや内側に位置するか、眉から顎までの長さの3分の一くらいの高さのものか、ですね。
小松:
僕もメガネを自分で選ぶときは手島さんがおっしゃるようにサイズ感、それとフレームが眉のラインにかぶってしまわないかも気にしますね。
小松:
個人的に気にするのは鼻あての位置ですね。常日頃掛けているのでストレスを感じないものを選ぶようにしています。初めて掛けたメガネがアパレル系ブランドのもので、デザイン重視だったんですけど目も疲れるし、頭も痛くなって・・・。
実用性も重視して、疲れにくいか、まつ毛が当たらないか、頬に当たらないか、気にして選んでます。
手島:
確かに。デザインだけでなく顔に合わせてフィット感を調整できるかどうかも重要ですね。
手島:
顔につけるものなので、メガネ一つで印象が変わります。がっつり印象を変えるために太めのセルを掛けるとか、そういう楽しみ方があります。伊達眼鏡でもそういった感じで遊べますよね。
小松:
スタイリングをするときは年代や、コンセプトによって選ぶメガネも変わってきます。ビジネスっぽいコーデの時はメガネを合わせることでしっかりした印象になりますよね。大人っぽくしたい時はメタルや、ブロウ系、べっ甲を選んだり。
一言でメガネと言ってもデザインも素材も種類がたくさんありますよね。
今気になっているデザインはありますか?
小松:
最近ウエスタンとか気になっていて。80‘sぽいテイストにふるときにツーブリッジのセルのビンテージとか。癖が強いけど若い子が掛けてもかわいいなと。
個人的には最近は、どの服にも合わせやすいものと、主張が強すぎないものを選んでいます。色も黒よりも少しクリアとか。主張が抑えられるものですね。
手島:
僕はセルフレームですね。ここ2,3年はビンテージスタイルでメタルフレームが人気でしたけど、最近は以前よりメガネをファッションに取り入れることが浸透してきたので、よりインパクトのあるセルフレームで、「メガネでこれだけスタイルが変えられる」っていうのを知ってもらえるといいなと思います。
丸みのある逆三角形、ボストンは人気のデザイン。程よく親しみのある印象に仕上げてくれます。1950年代のP3シェイプ(ボストンシェイプ)で、太めのラインが特徴的。
おしゃれメガネの定番、メタルフレームの丸メガネ。難しく思われがちですが、自分に合ったサイズを選べば大丈夫。Dotはやや小ぶりで小顔の男性や女性におすすめです。
台形を逆さにしたようなウェリントンはビジネスでも合わせやすい王道なスタイル。TF5178はトム フォードが監督を務めた映画、「シングルマン」で一躍人気となったモデル。アジアンフィットなので、日本人にも掛けやすくなっています。
ボストンをベースに、リムの上部分を直線的にしたのが「クラウンパント」。丸みのあるデザインに直線的なデザインを合わせていて、クラシックだけど現代っぽい雰囲気も感じる形です。
知的で繊細な印象になるメタルフレーム。MANRAYはオールチタンなので軽くかけ心地も良く、ビジネスからカジュアルまで幅広く使えます。
プラスチックとメタルを組み合わせたコンビフレーム。E-0505はEYEVANを代表するモデルであり、発表後、多くのブランドのデザインソースとなったほど。
オン・オフ問わずベーシックに掛けられる黒縁は一つは持っていたい。MOSCOTを代表するモデル「LEMTOSH(レムトッシュ)」は1950年代に誕生した名品。細かなフィッティング調整が可能なクリングス鼻パッド仕様です。
国内外、様々なブランドがあります。
お二人が注目しているブランドはありますか?
小松:
「ファッションとしてのメガネ」に特化してアパレルを中心に展開しながら本格的なメガネを作っているブランドは僕も注目しています。ayame(アヤメ)は男性だけでなく女性におすすめのブランドですね。デザインはもちろん、まつげが当たらないようデザインされているものがほとんどで、海外ブランドに比べてフィッティングが合わない心配がないのがいいです。
手島:
僕が注目しているのは「JULIUS TART OPTICAL(ジュリアスタートオプティカル)」。定番のAR(アーネル)は40年代から続いているモデルで、メガネの今のクラシックブームの定番モデル。今、流行のど真ん中にあるモデルが40年代には既にあったというストーリーがグッとくる。クラシックなメガネを1本ほしいという人はぜひ。「一家に一AR」をお勧めします。(笑)ARはデザインも癖がないので掛けやすく、5サイズ展開なので自分にベストな1本が見つかると思います。
1915年創業し、ニューヨークのローワーマンハッタンで100年以上、4世代にわたって続けてきた老舗ブランド。LEMTOSH(レムトッシュ)やMILZEN(ミルゼン)など不朽の名作は今も愛され続けています。
2010年にスタートした気鋭のブランド。テーマを「温故知新」と掲げ、色褪せることなく長く愛される上質な眼鏡を創造しています。SIPPOUは工芸品にも使われる伝統技法、七宝を使ってリムのラインを縁取ったフレーム。繊細だけど存在感があります。
1972年に「着る眼鏡」をコンセプトとして生まれた、日本初のファッションアイウェアブランドが復活。デザインチームの高い美意識と日本の技術が生み出す高品質な製品が再注目されています。テンプルの芯にはオリジナルの模様を施すなど細部へのこだわりも。
50年代後半〜60年代前半、アメリカの黄金時代と言える時期のアメリカン・トラディショナルスタイルを洗練されたドレススーツスタイルへモダンに昇華させたデザイン。TB-011はトムブラウンアイウェアを代表する名作。細身なメタルパーツとプラスチックパーツの曲線のギャップが程よく、バランスの取り方が絶妙。
1950年代初頭に創業したタート・オプティカル・エンタープライズ社の創立者ジュリアス・タート氏の意思を継ぐブランドとして、甥であるリチャード・タート氏と共に新規に創設したブランド。完成されたデザインが最高傑作と呼ばれる タートオプティカル「ARNEL(アーネル)」を完全復刻したのが「AR」。
スタイリスト小松嘉章さんによるメガネを使ったおすすめ3コーディネートをご紹介。好みのファッションやテイスト、シーンに合わせて、メガネの選び方も変わります。小松嘉章さんによる、ファッションアイテムとしてメガネの取り入れ方は必見。
存在感抜群な太セルフレーム。赤みのあるブラウンの生地がカジュアルダウンのアイテムとしても◎。
STYLING POINT
スタイリング通して全体に言えることですが、メガネを使うコーデは清潔感を大事にしています。使う色を2色くらいに抑え、カットソーは質感にこだわったものを少しサイズ大きめにして、シューズもカジュアル過ぎないコートシューズを合わせました。服をシンプルにした分、メガネはセルの太めのフレームでアクセントにしました。
こちらもオススメ!
柔らかい丸みのあるボストン型黒ぶちフレーム。アジアンフィッテング(鼻パッドに高さがある)仕様で海外ブランドに見られる掛けづらさは解消。
クラシックなブロウタイプのメガネ。合わせるコーデによってキレイめ、カジュアルと表情の変わるアイテム。
STYLING POINT
ビジネスでもかっちりさせすぎないコーデです。ニットジャケットに合わせてシャツはスタンドカラーで首元を抜いてみて、でもパンツはスラックスでしっかりめに、鞄でちょっと遊んでみる。ワントーンでまとめてみると上品に見えやすいです。メガネはビジネスに合わせやすいブロウタイプ。キレイめな服装のコーデによく合わせます。薄顔の人にも合うデザインです。
こちらもオススメ!
メタルとセルフレームのコンビネーションフレーム。形はウェリントンでかっちりとしているが、異素材の組み合わせで抜け感をプラスしている。
モード感漂うラウンド型のメタルフレームのメガネ。リム(フチ)が細く、ボリューム感のあるコーデにも馴染む。
STYLING POINT
トレンドのワークスタイルをセットアップ的にして少しきれいめに、アメカジではなくヨーロッパぽいスタイルにしています。Gジャンはボックスでちょい丈が長めです。メガネはセルだと普通なので、メタルフレームを合わせました。メタルフレームをシンプルに合わせるのが正解、みたいのってあると思いますがモードなニュアンスが感じられるように合わせたほうが今っぽいなと思います。
こちらもオススメ!
都会的な雰囲気を感じるオーバル型。同素材でのトップブリッジがよりモードな印象を高める。
小松さんも普段からメガネを愛用されていますよね。
お二人の愛用のメガネについてと、
気に入っているところはどんなところですか?
小松:
掛けていて疲れにくくて鼻あての位置が自分の顔に合っているのでアヤメを掛けることが多いです。
悠(アヤメの今泉さん)とは彼がブランドを立ち上げる前からの付き合いで。実は彼本人の性格は超がつくほどの真面目。僕が今までの人生で会った人の中で一番真面目なんじゃないかってくらい。(笑)そういう真面目なところも物づくりに落とし込まれているのが見えていいなって。立ち上げの時に僕が「清潔感って大事だよね」って言ったのを気にしてくれているのかな?だから掛けると品がある。あと、立ち上げから今現在まで、全ての工程を、日本でやる完全なメイドインジャパン製というこだわりを大事にしていて、鯖江の職人さんたちを大事にしているのも好印象だなと。
友達がやってるブランドってやっぱり人一倍厳しい目で見てしまうけど、それでも「良いな」と思えたのは自分的にも嬉しかったですね。
あと、アヤメは芸能人受けがいいです(笑)
STYLIST
YOSHIAKI KOMATSU’S
FAVORITE
手島:
POKER FACE BUYER
YUTO TEJIMA’S
FAVORITE
上から EYEVAN 7285、NATIVE SONS、 JULIUS TART OPTICAL
STYLIST
小松嘉章
文化服装学院卒業後、2009年に独立。ファッション誌やブランドカタログ、広告、俳優やミュージシャンのスタイリングなど多方面で活動中。幅広い年代に向けたスタイリングの中で、一貫して感じるのは清潔感。自身も普段から眼鏡を愛用。
POKER FACE BUYER
手島勇人
2014年入社。店舗での店長を経て2018年よりPOKER FACEバイヤーとして国内外のブランドをセレクトしている。ファッションはアメカジ、ミリタリーテイストが好きで、クラシック眼鏡マニア。POKER FACEと眼鏡ブランドの別注デザインにも携わる。