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デザイナーインタビュー Vol.1

デザイナーインタビュー Vol.1

女性の魅力を引き出す、シンプルで美しいアイウェア。
“propo(プロポ)” のメガネを作る人。

  • 石田 岳大(いしだ たかひろ)
  • 石田 岳大(いしだ たかひろ)

    アイウェアデザイナー

    1975年生まれ。アパレルの販売員を経験後、1999年より奥定 敦(おくさだ あつし)と一緒に眼鏡作りを始め、「プロポデザイン」を立ち上げる。
    現在は「propo」のデザインを手掛ける。

きっかけは、自分たちが欲しいと思うような
カッコイイ眼鏡が作りたかったから。

プロポデザインをスタートする前は、何をやっていたんですか?

POKER FACE
石田 岳大

アパレルで販売員などを1年半やっていました。
眼鏡業界にはいなくて、作る=眼鏡業界に入るという感じでしたね。

アパレルから眼鏡業界に入るきっかけがあったのですか?

POKER FACE
石田 岳大

元々ファッションが好きで。90年代当時、ドメスティックブランドも結構あって。わりと若手のブランドが出てきていた中で、僕たちも自分達で何か物を作ったり、表現していきたいなって思っていたんです。

当時、眼鏡ってファッション小物の中ではわりとハイエンドというか、カッコイイ大人がカッコイイ眼鏡をかけていて。眼鏡まで手を抜かずオシャレするみたいな感じで。

例えばどんなメガネですか?

POKER FACE
石田 岳大

アランミクリとかオリバーピープルズとか、眼鏡ブランドですね。
ギャルソンとかDCブランドとか、ハイブランドな服にカッコイイ眼鏡を掛けていて。

メガネってファッション小物としてカッコいいアイテムだなって感じて。
でも当時、日本のドメスティックブランドってあんまり無くて、自分たちが欲しいと思うようなカッコイイ眼鏡も無いなって思っていて。

だったら、自分たちで眼鏡作りができたら面白いし、カッコイイ眼鏡が作れると思ったんです。それがきっかけで、業界に入りました。

靴などではなく眼鏡だったのは、カッコイイ眼鏡が無いというのが大きかったんですか?

POKER FACE
石田 岳大

そうですね、当時って眼鏡のデザインやバリエーションって少なくて、選択肢が狭かったのは間違いないです。
メガネまでオシャレするカッコ良さみたいなのも当時際立ってましたね。
90年代、ヴィヴィアンのロッキンホースとかダークビッケンバーグみたいな、デザイナーズ系の靴って沢山あったけど、眼鏡までは着眼してなかったように思います。

一部のイケてる大人達は、やっぱりカッコイイものを身に着けていたかなぁ。そういう人達って、サングラスもバカンスっぽいものではなくて、ファッションの延長線上で普段から身に着けていたように思います。
そういう感覚をすごくカッコいいと思っていたし、自分たちもそうやって眼鏡を身に着けていたので。

じゃあどちらかというと製品やプロダクトデザインというよりは、ファッションとして作りはじめたんですね。

POKER FACE
石田 岳大

そうですね。眼鏡とはなんぞやっていうのも分からない状態でスタートしました。眼鏡の知識は必要無いと思っていましたし、イケてるものを作れたらいいかなって。

早くも聞けなかったことを聞けました!

POKER FACE
石田 岳大

結構、眼鏡店の店先でスタッフさんとこういう真面目な話もしているんですよ(笑)

カルチャー、音楽、ファッション。
共通点から生まれたPOKER FACE との接点。

POKER FACE で働く店長以外のスタッフの名前まで知ってくださっているメーカーさんて、そんなに多くなくて。
石田さんって『〇〇君いいなぁ』とか言ってくれるんですよね。
そのスタンスが昔から変わらないのが僕たちも嬉しくて。

POKER FACE
石田 岳大

多分僕が、ファッション業界にいたからかな。当時のPOKER FACEのコンセプトって『ユニークなファッション小物』でしたよね。僕も眼鏡ってそういうアイテムだなって思っていました。

POKER FACE のスタッフさんは、音楽とか服の話が合う人が多かったです。カルチャーについての話とか、なんば店で話したりしているうちに仲良くなっていきましたね。だからスタッフさんの名前も覚えました。僕らも当時22歳とかで若かったから、スタッフさんとも歳が近かったし。

2004年、POKER FACE のフリーペーパーに掲載された頃

2004年、POKER FACE のフリーペーパーに掲載された頃

石田 岳大

そういえば、僕たちが初めて単独で展示会に出展した際に、レコードとターンテーブルを並べて音楽流していたんですよ。この時にきちんとしたコレクションを発表しました。

その時にPOKER FACE のバイヤーさんが興味を持ってくれて、そこから取扱いの話がスタートしました。
それまでは個人店さんが多かったので。まさか!!って驚きましたね。

デザインする中で意識しているのは世間のムード。

デザインする時に参考にしていることってありますか?

POKER FACE
石田 岳大

特定のものはあんまり参考にしないですね。
デザインって自分の体験したことや、知っている以上のものって生まれないと思っていて。普段から無意識に色々見ているとは思うんですけど。

気を使っていることは『世間のムードはなんぞや』っていうのを自分の中では結構意識してるかな。プラス、マイブームの要素を入れるということですね。

  • propoのメガネ
  • propoのメガネ

propo ってコレクションの中で遊ぶ品番とか色がありますよね。

POKER FACE
石田 岳大

眼鏡を毎年繰り返し作っていると自分が好きというか、ワクワクした部分が薄れてきたり忘れがちなので、コレクションの中に遊びの部分を持たせています。それが色であったり品番であったり。

あとは、少しエッセンスとして今自分がいいなって思う要素を入れておこうって思ってます。眼鏡を作っているうちに自分が何を好きだったか、だんだん分からなくなっちゃうんですよね。

ただ、自分がいいと思っていることをやりすぎると、今度は世間とのズレが生じてしまうし、自己満足になってしまうので。だからデザインする時は、自分のマイブームを入れつつ、世間のムードも大切にしているかな。

言葉にできないイメージが形になっていくことの面白さ。

他のブランドさんだと、眼鏡以外の製品の意匠をデザインに取り入れたりされてると思うんですけど、そういったデザインの仕方では無く実態の無いものをイメージしてデザインされてる感じですよね。

デザインしていて楽しいと思う時ってどんな時ですか?

POKER FACE
石田 岳大

やっぱり自分の中で漠然としたものが形になっていくのは楽しいです。
工場の人たちと一緒に作っていくので、言葉にできない細かなニュアンスが工場の人にきちんと伝わって、それが思っていたように出来上がった時は、『これこれ!』って思いますし、楽しいです。

CG と違うところは、やっぱりどこまでいっても100%自分でゴールまでいけないんで、考えたものを手伝ってくれる、助けてくれる、一緒に作ってくれる工場の方々がいるっていうのは大きいです。

言葉で伝えられないニュアンスも上手く汲み取ってくれて。『よくわかりましたね。それです!』ってなります。

昔は単純に形になるだけで楽しかったんですよ。素人だったというのもありますけどね。『あ、眼鏡の形になった!』って。

メガネを持つ石田さん

工場の人と付き合いが長くなると、石田さんってこういうのが好きだよね?っていうのを理解してくれるっていう感じでしょうか?

POKER FACE
石田 岳大

そうですね。サンプルに対して『あれ?なんか違うな』っていうのが無くなってきます。製図に関わってくれている工場の方もpropo のことを分かってくれている人が結構いるんです。

『あえてこっちに修正してみました』って提案してくれる人もいて。色のニュアンスとか『propo ってこの茶色じゃなくてこっちでしょ?』とかね。僕が違うと思う感覚も分かってくれてるなぁって思いますね。

その反面、言葉にできないものを伝えるっていうのが大変です。
感覚や意識って人によって全く違うので。
グラフィックや絵だったら楽だなって思うんですけど、それだと発見は少ないかなって思います。自分が思う以上のものが、たまに生まれたりもするし、そこが面白い。

甘すぎず可愛すぎず。大切にしているのは女性に響くニュアンス。

propoを掛けた女性

不特定のユーザーさんに掛けてもらうということに対して、サイズとかデザインで意識していることってありますか?

POKER FACE
石田 岳大

propo は女性向けのデザインですけど、甘いとか可愛いとかっていうテイストではないんですよね。カッコイイ色気とか、フォルムやテンプルの形、全体のバランス的に甘くなりすぎないことを意識しています。

あと、色のニュアンスですね。工場での話にも出てきましたけど。
茶色でもグレーなのか茶色なのかみたいな感じで。
単純に茶色じゃない細かなニュアンスの丁度良い色選びは結構考えてます。

図面上での美しいラインがとれていると、自分の中でも手ごたえがあります。パッと見てなんか違和感あるなっていうのは、やっぱり良くないんですよね。

佇まいも重要視していて、経験積んできたからというのもあるかもしれないんですけど、バランスの良いものは作れているように感じています。

あえてテーマは決めない。直感とイメージと感覚。

propo の眼鏡って品番に名前がついていますけど、何か由来ってあるんですか?

POKER FACE
石田 岳大

抽象的なんですけど、出来上がったデザインをパッと見て、MARI っぽいなとか、HANA っぽいなっていう感じで決めているので、そんなにコンセプチュアルではないんです。僕の直感で決めています。

たまたま近い感覚の人だったら『あ〜、何か分かる!』って。
意外と世界で活躍している女性の名前を付けている時もありますね。

  • MARIMARI¥35,200(税込)細いメタルフレームのフロントには、薄く七宝で色づけされていて、表情豊かなフレームに仕上がっています。
    メイクとの相性もよく、コーディネートに取り入れやすいフレームです。
  • HANAHANA¥35,200(税込)女性におすすめしたい、シンプルなデザインのメタルフレーム。顔に馴染みやすく、それでいて表情をさりげなく優しい印象に見せてくれます。
  • RITARITA¥37,400(税込)小ぶりでコロンとしたセルフレームは、女性が掛け易いサイズ感で柔らかい印象を与えます。
    智元にあしらわれたメタルの飾りもポイント。
  • NOELNOEL¥35,200(税込)ガーリーな表情を引き出す絶妙なレンズシェイプ。リムに溝を掘り、そこに色をのせてツートンカラーを表現。さりげないデザインが魅力です。

新型のNINA のイメージってどんな感じですか?

POKER FACE
  • NINANINA¥35,200(税込)レンズ上部のカッティングと滑らかなエッジは主張しすぎないので、顔なじみも良いデザインです。フロントの表面は溝のあるリム線で、そこに七宝を施しており、さりげなく手の込んだ仕様になっています。
石田 岳大

NOEL とHANA の中間をイメージしていて、HANA に近いコンサバティブな掛けやすいデザインに落とし込んだ感じです。次の定番モデルの一つになるのではないかと思っています。
溝に色を入れているシリーズをやりたかったっていうのもあって。
毎回少しずつ提案したいテイストを加えていってます。

新型のNINA

コレクションはテーマを先に決めているんですか?

POKER FACE
石田 岳大

意外とテーマの方が後ですね。
デザインのイメージはこんな感じっていうのが先にあって、それを形にしていって。抽象的な言葉で表現しています。
あまり説明をしないようにしたいっていうのが最近の僕たちの思いで。感じてもらわないと言葉って嘘っぽく聞こえると思っているので。

僕たちがやりたいことを短い言葉で表現できるワードを考えてテーマにしています。意味の時もあるし、イメージの時もあります。

propo コレクションページ

眼鏡が主役じゃなくていい。その人が素敵に見える眼鏡を作りたい。

現在は、ほぼ女性に向けたデザインですが、もともとは割とシャープな形がありましたよね。MP-11 とか、L ヒンジを使ったディテールにこだわったモデルとか。

2012年から女性向けにシフトしたっていうのは、何かきっかけがあったのですか?

POKER FACE
2011年に発売された「MP-11」

2011年に発売された「MP-11」

「L ヒンジ」と呼ばれるメタルパーツを使ったモデル

「L ヒンジ」と呼ばれるメタルパーツを使ったモデル

石田 岳大

直接的な出来事があったわけでは無いんですけど、時代の流れや流行が変わっていく中で自分たちが表現したいことを、もっと伝えやすくしていかないといけないなって。

ブランドコンセプトの『いきすぎないデザイン』の眼鏡って、掛けた時に『眼鏡が主役』みたいになるんじゃなくて、掛けてその人が素敵に見えるファッション要素のあるものだと思うんです。
眼鏡業界がプロダクト寄りになってきた中で、拘りがディテールの複雑さや技術に偏りすぎて、男性的というか、僕たちの本当に伝えたいことが伝わりにくくなっていったのかなと。

女性って『可愛い』とか『素敵』とか短い言葉で表す人が多いじゃないですか。僕らのやりたかったことや強みを分かりやすくした時に、女性ブランドにシフトした方が、眼鏡業界の中で僕たちにとって良いと思ったんです。

眼鏡自体が素敵っていうのも大事なんですけど、眼鏡を掛けた顔が素敵でしょっていう感じにしたい。

元々女性から結構支持を得ていたというのもあって、そこを強めていきたいと思ったんです。

最近はどのブランドも丸眼鏡っぽいデザインが多いと思うんですけど、その辺りについて思うところはありますか?

POKER FACE
石田 岳大

僕たちのルーツは基本的にモードスタイルです。そこは昔から一貫して変わっていなくて。

だから、丸眼鏡でもフレームに彫金を入れたりはしていません。あくまでも、クラシックにあったモチーフを現代的にアップデートして表現して作っている感じです。

僕たちのフレームで、コンサバ、シンプル、カジュアルと表現されるデザインもありますが、それらのデザインの根底にはモードだったりモダンといったマインドがあります。

なので、propo さんカッコイイとかクールな感じって言ってもらえることがありますね。

『素敵ですね』と言われる眼鏡を目指して。2人で歩んだ20年。

石田さんと奥定さんの2人で、20年以上メガネを作られていて、なぜ今まで続けてこれたと思いますか?

POKER FACE
石田 岳大

日々をクリアすることを一生懸命やってきたら、気付けば20年経っていた感じです。その都度お互いに悩んで、改善策を自分達の中で見出してきて。

世界中で見ても、僕たちのブランドって作る側の規模が小さいんです。2人でやるって。細々とした事務的なことも自分たちでやっています。
でもこのやり方が合ってるんでしょうね。だから続けてこれたのかなと。

恵まれていたっていうのもあります。
僕らが眼鏡を作り始めた時って、僕らのような立ち位置って少なかったと思うんです。それを珍しがったり、面白がってくれる人も多かったですね。

僕たちが眼鏡のめの字も知らない状態でスタートしたし、単なる眼鏡好きが作ったブランドだったら、今だったらすぐ潰れているかなって。

僕たちのスタイルに同調してくれる人もいたし、良い人たちに支えられたと感じています。

石田 岳大さん
石田 岳大

僕たちは当時、1型だけの眼鏡でブランドをスタートしたんです。
眼鏡とブレスレットを同じ生地で作って、セットにした商品で。
セットだから『suit(スーツ)』っていう名前を付けました。

それを持って自分達で営業したんですけど、なかなか売れなくて。
コレクションを出せるようになるまでは、結構時間がかかりましたね。
なので、オーダー眼鏡を作ったりしながらデザインのノウハウを貯め込んでいきました。

色々教えてくれる師匠みたいな人がいたのですか?

POKER FACE
石田 岳大

お客様には、こんなんでは売れないと言われたり、工場の方には細かな造りのことを教えてもらいました。

工場で造ればある程度は形になるんですけど、その先にプロのクオリティを出すのが難しくて。
実力が無いと難しいなって20年やっていて思います。

なるほど。そういった経験の積み重ねが今のpropo に繋がっているんですね。

POKER FACE
石田 岳大

でもやっぱり、ここまで続けてこれたのは、自分たちがきちっと状況を考えながらやってきたのも大きかったかな。

『素敵ですね』『良いですね』って言われる眼鏡を作ることが一番やりたいことなので。それが達成できるようになってきたのかなと思っています。

あとは、なんやかんや言ってファッションや眼鏡が好きっていうのが大きくて、だから20年続けてこれたんだと思います。

ありがとうございました。
今後のpropo のコレクションも期待しています。

POKER FACE